結論を先にお伝えします。
エアコンのカビ臭は「内部に溜まった結露水とホコリがカビの温床になる」ことで発生するので、フィルター掃除+内部に抗カビスプレーを噴霧し、ドレンパンとドレンホースの水抜きを行えば、自分で手軽にニオイを抑えられるのですが…
本当に効果があるのでしょうか?
エアコンのカビ臭発生メカニズムを理解しよう
エアコン内部では冷房運転中に空気中の水分が熱交換器(アルミフィン)に結露し、水滴となってドレンパンに落ちます。この結露水には室内のホコリや花粉、ダニの死骸、ペットの毛などが混ざっており、運転停止後にファンを止めると熱交換器表面に湿ったまま残った水分がカビ菌の格好の餌に。
特に梅雨~夏前の高温多湿期には、エアコン運転開始直後の温度差で結露が急激に発生し、内部がジメジメした状態になりやすいのです。さらにフィルターがホコリで目詰まりしていると、風量が減って送風ルートが偏り、熱交換器が十分に乾燥せず、カビ菌が増殖。これが送風時にニオイ成分とともに吹き出し口から放出され、部屋中にカビ臭が広がります。
つまり、カビ臭を防ぐには「結露水を速やかに排水し、内部を清潔に保ち、カビ菌が増えにくい環境を作る」ことが重要。自分でできる作業としては、①フィルター掃除、②ドレンパンとドレンホースのチェック、③熱交換器への抗カビスプレー噴霧、④送風運転で乾燥、⑤定期的な内部乾燥運転設定—の5ステップが基本です。
私も初めてこのメカニズムを知るまでは、「フィルターだけ掃除すればいいだろう」と安易に考え、エアコン内部を放置。結果、フィルターはきれいになったものの、送風口からプーンとカビ臭が消えず、業者に依頼し50,000円近いクリーニングを経験しました。その後、上記5ステップを理解して実践したところ、ニオイがほぼゼロに抑えられ、しかも費用は数百円で済むようになりました。
フィルター清掃は基本中の基本!手順とコツをじっくり解説
- エアコンを「送風モード」で5分ほど運転し、内部のホコリを室外機へ排出
運転前に風量を中程度に設定し、フィルターの大きなホコリを浮かせます。 - 電源を切り、必ずコンセントを抜いてから上下カバーを開ける
感電防止とファンへの不要な空回しを防ぐための安全対策です。 - フィルターを両サイドのツメを外してゆっくり取り出す
フィルターが堅い場合は、ツメの位置を確認しながら丁寧に。 - 掃除機のブラシノズルで大きなホコリを上下左右に払う
力を入れすぎず、フィルターの目をつぶさないように優しく吸引します。 - 中性洗剤(食器用洗剤)を溶かしたぬるま湯にフィルターを浸して30分つけ置き
油分や手垢なども中和しながら浮かせる効果があります。 - 軽く指でこすって汚れを落とし、流水で洗剤をしっかりすすぐ
フィルターの裏表を確実に流し、残り泡がない状態に。 - 風通しの良い日陰で完全乾燥させる(天日干しはアルミ枠が変形するのでNG)
乾燥が不十分だと次回運転時にカビ発生の原因になるため、12時間以上しっかり乾かしましょう。
私の場合、最初は網目の奥まで汚れを吸い取ろうと力任せにこすりすぎ、フィルターが破れそうになったことがあります。以降は「掃除機→つけ置き→流水すすぎ→陰干し」の手順を守り、半年に一度この工程を行うことで、フィルター経由のホコリ臭とカビ臭が激減しました。
ドレンパン&ドレンホースをチェック!水が詰まるとカビの温床に
フィルター清掃だけでは、後方のドレンパンやホース内部の汚れまでは取れません。結露水が通るルートまできれいにして、溜まり水を排水しやすくする必要があります。
- フィルターとフロントパネルを外したら、内側にあるドレンパン(受け皿)を探す
位置は機種によって異なりますが、熱交換器の下に隠れている場合が多いです。 - 軽く触ってぬめりや黒ずみをチェック。あればウェットティッシュやキッチンペーパーで拭き取る
このとき、強い薬剤を使わず中性洗剤を薄めた水で拭くのがベター。 - ドレンホースの出口(室外機下やベランダ)を確認し、排水口が腐葉土や小枝で詰まっていないかチェックする
詰まりがある場合は、手袋をしてホースの中に針金ハンガーを通し、軽く突いて掃除。 - ホース内にぬるま湯を注いで通水し、見えない汚れを押し流す
ホースに逆流防止機能がある場合は、メーカー推奨のドレンクリーナーを使用すると安全です。 - 最後に送風モードで5分運転し、結露水の流れを確認する
排出口から水がポタポタ落ちればクリア。水の回転流れが途切れる場合は再チェックを。
私は庭先の排水口が落ち葉で詰まり、室内に結露水が逆流して壁紙がシミになった経験があります。この一件以来、半年ごとにドレンホースと排水口のチェックをセットで行い、常にスムーズに流れる状態を保っています。
抗カビスプレー&除菌剤の使い方──熱交換器を狙い撃ち
フィルターとドレン経路がきれいになったら、最後に熱交換器(アルミフィン)に抗カビスプレーを噴霧し、カビ胞子の繁殖を抑えます。必ずエアコン用の市販スプレーを使い、以下の手順で行いましょう。
- フィルターと前面パネルを外し、電源OFF&コンセント抜き
- 熱交換器の手前にキッチンペーパーや布を敷いて、スプレーの液だれを受け止める
- スプレー缶をよく振り、ノズルを熱交換器に20~30cm離して均一に噴霧
- 取説にある放置時間(5~10分程度)を守り、その間に他の掃除を進める
- 送風モードで10分ほど運転し、スプレー成分と死滅したカビ胞子を排出
- 最後に再びフィルターを取り付け、内部が完全乾燥したことを確認して運転終了
初めてスプレーを使ったとき、対象箇所に届かず壁やパネルに飛び散ってしまったことがあります。以降は必ず布や新聞紙で周囲を養生し、ノズルの向きを固定してまんべんなく当てるコツをマスター。これでカビ臭の再発を大幅に抑えられるようになりました。
送風運転で内部を乾燥!カビ臭予防の最後の仕上げ
すべての掃除工程が終わったら、エアコンを数時間「送風モード」で運転し、内部を完全に乾燥させます。これがないと、湿気を帯びたままの熱交換器やファンに再びカビが発生し、せっかくのクリーニングが無駄になってしまいます。
- 送風モードは「弱風」設定でOK。強風だとホコリを巻き上げることがあるので注意。
- 部屋の窓を少し開け、扇風機で風を当てると乾燥が早まります。
- 長時間外出する場合は、除湿機を併用して湿度を50%以下に保つのもおすすめ。
私も最初は「短時間の送風だけで大丈夫」と甘く見て、翌日に再びカビ臭が復活。以降は最低3時間、余裕があれば半日以上をかけて送風乾燥を徹底し、クリーニング後1シーズン中は一度もカビ臭が再発しない状態をキープできています。
実体験レビュー
○失敗①:フィルター清掃だけで満足→カビ臭変わらず
→教訓:フィルターは入口でしかなく、結露水経路と熱交換器内部の掃除も必須。
○失敗②:抗カビスプレー直後にすぐ冷房運転→スプレー成分が流れず逆にニオイを閉じ込め
→教訓:必ず送風モードで十分に流すこと。
○改良ポイント:フィルター清掃→ドレン経路チェック→抗カビスプレー→長時間送風乾燥、の順番を守ることで1回の作業で完了。
○成功体験:梅雨明け前にこの手順でクリーニングし、真夏の猛暑通勤でも帰宅後にほとんどカビ臭を感じず、エアコンの風がすっきり爽やかに。
まとめ
夏のエアコンのカビ臭は「結露水+ホコリ+熱交換器の未乾燥」が原因で発生します。
自分でできる簡単クリーニングのポイントは、
- フィルターを取り外し掃除機とつけ置き洗いで徹底清掃
- ドレンパンとドレンホースをチェックし、詰まりを解消
- 熱交換器に抗カビスプレーを均一に噴霧
- 送風モードで長時間乾燥させて内部を完全に乾かす
- 半年に一度のペースで定期的に実施し、カビ菌の繁殖を未然に防ぐ
これらを半年ごとのルーティンに組み込めば、業者に数万円を支払うことなく、自宅で簡単にカビ臭を撃退できます。実体験から編み出した失敗談と改良ポイントを参考に、今年の夏は爽やかな冷風を心地よく感じながら、快適な室内環境をキープしてください!